ネタ記事って難しい

 


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 これはブログを開設した時に書いた記事です。

見たアニメや映画の感想、なんとなく思ったこと、沸き騰がったエモの放出や鬱積したリビドーの発散…等々

とは書いていますが、書いてみるとほぼ100%アニメの感想ですね。しかも長い。

 

 もっとスパスパ書いて上げて書いて上げて、読みやすい記事を増やしていくべきなんでしょうけど、わざわざブログに書いて他人に伝えたいってなるようなことってなると、なにかしら善いことを書きたい。となると、僕としてはアニメを見て感動したことについて書くっていうのが1番になってくるんですよね。何書いたらいいんだろうな、ホント。

 

 あと友人に言われたのが、真面目な記事は読む気がしないからネタ記事を書けと。

 ネタ記事は僕も書きたい気持ちがないわけじゃないんですけど、僕自身ユーモアのセンスに自信がないのと、それ以外にもネタ記事書くのってこう、パワーが要るんですよね。

 

 僕は大学受験で浪人して予備校に通っていたんですが、林修先生の例でもわかるように、予備校講師ってキャラクターが強烈な人が多いんですよね。

 予備校講師、特に大手予備校の講師っていうのは実力勝負の世界で、実績を残さないと生き残れない世界です。実績というのは、生徒を大学の入学試験に合格させること。生徒を合格させるには、授業内容を覚えてもらわなくてはならない。

 でも普通に授業してたんじゃ、生徒の頭に残らないわけですよ。なにしろ、学校の普通の授業を覚えられなかったバカ相手に授業してるわけですから。

 じゃあどうするか。人間、強烈な体験っていうのは勝手に記憶に刻み込まれるようにできています。浪人してるようなバカ相手に授業内容覚えさせようと思ったら、強烈なキャラクターで授業するっていうのが1番なんですよ。それで予備校講師達はみんなキャラクターが強烈なわけです。

 

 それで僕もそのバカの1人として予備校に通ってたわけなんですが、やっぱり僕が通ってた予備校にも変わった講師が多くて。

 色んな講師がいたんですが、例えば自分の書いた板書に自分でツッコミを入れて、正しい解法を自分に説明しながら自己完結するみたいな授業スタイルなんですが、ツッコミを入れて自己完結するまでが信じられないくらい訛ってて何を言ってるのかさっぱりわからないみたいな先生もいました。

 

 ところで、近頃の予備校はビデオ受講っていうのがあるんですよね。

 僕が通ってた予備校は特殊でして、授業は出席参加が大原則で、ビデオ受講はあくまで病欠なんかで授業を受けられなかった生徒のための補償制度であり、それ以外にビデオ受講を希望する生徒は、そもそもの授業料にプラスして別途ビデオ受講代を払うというシステムでした。

 なので、僕らは基本ビデオ受講を取ったことはありませんでした。

 

 ある日、病欠をした友人がビデオ受講を申請したんですが、その授業が例の訛りセルフツッコミの先生でした。

 彼いわく、その先生はビデオでも変わらず自分の板書に自分でツッコミを入れて、激しい訛り口調で独りごちながら自己完結を披露していたと。

 ただこの予備校のビデオ講義って、一般の授業風景を撮影したものじゃなくて、別撮りの撮影用の授業なんですよね。先生がカメラの前で、一人で授業内容を説明する形式なんです。

 つまり、友人が見たビデオには、誰もいない教室で一人自分の板書にツッコミを入れ、激しく訛った独り言を喚きながら自己完結する男が映っており、その姿はまさに狂人のそれで、友人は恐ろしさに耐えながらビデオを見きったそうです。

 

 たしかに、言われてみるとその先生は対面授業においてセルフツッコミする際にも、こちらの反応を一切気にしてる様子はなかったんですよね。

 授業を印象付けるための諸々なんですけど、生徒がウケようがウケまいがやることは決まってるわけで、セルフツッコミ以降一連の流れまで込み込みが一つの完結したパッケージなんですよ。

 だからその先生からしたら、カメラの前でそのパッケージを披露ないしは再現しただけで、なにもおかしくはない。

 ただそうやって切り離されてみると、普段やってることの異常性が顕著になって、この先生あんな可笑しく授業してみせてるけど実際心が死んでるんやなってことに気付かされた、みたいなことです。

 

 というわけで何が言いたかったかと言うと、読者がいるかどうかも見えないブログでネタ記事を書く行為は、誰もいない教室でカメラに向かってボケてみせるのに等しいくらいパワーが要るものなんだっていう話でした。