NHKで放送されたアニメ『ヴィンランド・サガ』。1期の放送が遂に迎えた最終回の感動をここにまとめます。
と言っても、僕自身のTwitterアカウントでツイートしたものを載っけただけの手抜き記事ですので、その点は悪しからず。
この作品の熱量はあらすじでちょちょいと書くことができないので、ネタバレも含めこの記事を読む前に是非アニメを視聴しておくことをおすすめします。
スヴェンの対応は予測の範疇だったろうけどブチ切れたのも多分本当
— ぼっさん (@bossan_kim) 2019年12月30日
気持ち良さそうにスヴェンを罵倒
そして真の名を明かしてからの大立回りでわかる
王の血筋でありながら自分が王に相応しくないことを誰よりも知っている男
憧れ続けた王の幻影がアシェラッドがウェールズに執着する理由 #VINLAND_SAGA
原作ファンの友人が、アニメ版のスヴェン王は人間味が感じられてイメージと違うってぼやいてたんですが、配下達を見やる柔和な表情や最終的にアシェラッドに討たれることを考えると、アニメ版の演出は素晴らしいバランスだと思う。
ウェールズを人質にとりつつ、奴隷の考えることなんざお見通しっつう硬軟織り混ぜた手口は、伊達に当時世界最強クラスの国家を統べてない。
でもスヴェンは、アシェラッドという男がどれほどの葛藤の中で生きてきたかを侮ってた。スヴェンの挑発はウォラフへの憎しみを思い出させたかもしれん。
やっぱアシェラッドはこうでなくちゃ。今までを見てきた俺らからしたら、臣下の礼とってるアシェラッドなんてらしくねえぜ。
アシェラッドは自分の命を対価にクヌートをスヴェンに勝たせた
— ぼっさん (@bossan_kim) 2019年12月30日
奴隷の子が最強の王を倒して理想の源泉ウェールズの地を守り理想を継ぐクヌートへ最大の手向け
一方でトルフィンは飛び立つ鳥に居場所を見出だせない自身を重ねレイフの船から降りる
空っぽのトルフィンが唯一縋り付く先… #vinland_saga
土壇場で脳味噌沸騰するくらい考えた末の策略で、芝居する必要があったのも事実だけど、あの罵倒や本名を名乗ったのは、もう自分を偽るのは真っ平だって思いもあったんじゃないかな。
アシェラッドという奴隷の子の一代記としてこれ以上の大勝利はない。
あとトルフィンのとこの情緒的演出とか、こういう細やかなところもこの作品は素晴らしい。
クヌートに討たれる展開の凄さは
— ぼっさん (@bossan_kim) 2019年12月30日
私怨によるラグナルの仇討ちと対になる大義によるスヴェン王の仇討ちになってることで
アシェラッドがウォラフ殺しで為し得なかったことをクヌートに成し遂げさせてる
血塗られた戦士の役割と王の礎たる臣下の役割をクヌートに果たしアシェラッドは死ぬ #vinland_saga
足利義輝の最期なんかも劇になったりするけど、地位のある人間が最期ガンガンに切り結んで戦死するのアガるよな。
そしてトルフィンに引かせるの、クヌートに華持たせる計画台無しとか、自分の最期の晴れ舞台に水差すなとか、そういう理由も思い浮かぶけど、俺としてはお前はこっち(血みどろの世界)に来るなってニュアンスがあったんじゃないかなと思う。声を聞いたトルフィンの表情や内田直哉さんの演技も、そっち方向だったと思う。
そしてトルケルおじさん。この人実は大人なんだよな。大塚明夫さんがやってるのはそういうことなんや。
このクヌートに対するアシェラッドの忠義の士ぶり、格好良すぎる。代理父としての役割も果たすし。
また一瞬のアイコンタクトでアシェラッドの意図を察したクヌートはもう完全に王よね。立派になった。
だからトールズを喪った子供時代同様死にゆくアシェラッドに泣き縋る
— ぼっさん (@bossan_kim) 2019年12月30日
また一人にしないでと
そんな情けないトルフィンをアシェラッドは赦し仇を討てない醜態を罵った同じ口でトールズを超えろと言い残す
このトールズはアシェラッドにとってのアルトリウスでトルフィンを呪縛してきた影 #VINLAND_SAGA
トルフィンにとってアシェラッドは父の仇であると同時に、死んだ父親との最後の繋がりでもあるのよね。アシェラッドが生きていることはトルフィンにとって父を死なせた罪を突きつけられているのと同じだったけど、アシェラッドが死んだら憎む相手さえもいなくなり、トルフィンは本当に一人ぼっち。トールズが死んでからのトルフィンの人生が本当の意味で否定される。
決闘に負けたトルフィンになんで敵討ちもできねえんだって罵ったのに、もうトルフィンを責めることはしない。これは間違いなく赦しだ。そして生きろ、自分の人生を見つけろって言う。
アルトリウスが抱かせた真の王の姿はアシェラッドにクヌートを見出ださせたけど
— ぼっさん (@bossan_kim) 2019年12月30日
逆にアルトリウスを裏切ったアシェラッド自身を残虐なデーン人へ堕としもした
トールズを畏敬するトルフィンは人生を贖罪の復讐に捧げたけど
今アシェラッドを討てないトルフィンも間違いなくトールズの子 #VINLAND_SAGA
仇敵に育てられる似たような境遇から全く違う人間になったアシェラッドとトルフィン。
父王スヴェンに疎まれ父のように慕ったラグナルを喪い父なる神への怒りで急速に王として覚醒したクヌートと
— ぼっさん (@bossan_kim) 2019年12月30日
偉大な父トールズを喪って道を見失い誓ったはずの復讐すら放棄した同い年のトルフィン
そのトルフィンから父の影を映すアシェラッドを奪って後押しするのが既に成長したクヌート #VINLAND_SAGA
そして同い年の身であり、父の死によって人を統べる王として完璧に成長したクヌートと、父の死に囚われ続けたトルフィン。
その二人に成長を促したアシェラッドを葬り、トルフィンの成長に最後の後押しをするのがクヌート。
三人の男の対照的な運命が互いに影響を及ぼし合うこの瞬間、構成考えた幸村誠先生マジ神でしょ。
そして本意でないと言え
— ぼっさん (@bossan_kim) 2019年12月30日
この悲歎でトルフィンは初めて剣を捨てたトールズを超える資格を手にする
偉大な父の死で止まったトルフィンの時間がこの瞬間から動き出す
憤怒で王となったクヌートと違い最後まで非情に徹しきれなかったトルフィンの
父の夢見た先を目指す本当の戦士としての旅 #VINLAND_SAGA
この演出は完全にアニメでしかやれないクライマックス。幸村先生だけじゃなく籔田修平監督も神だった。
まだ2期の制作決まってないらしいけど
— ぼっさん (@bossan_kim) 2019年12月30日
ちっぽけな子供がヴィンランドという理想を追い求め真の戦士としての戦いを始めるまでを完璧に描いた名作だった
改めて素晴らしい物語を作った原作者の幸村先生と
それを見事にアニメ化してみせた籔田監督はじめ制作陣の方々には感謝を表したいです #VINLAND_SAGA
アニメ1期の実質主人公アシェラッドについてちょっと考察したので、そっちも載せときます。
原作既読勢のアシェラッドはトールズに憧れてたって解釈らしいけど
— ぼっさん (@bossan_kim) 2019年12月30日
アニサガの演出的には憧れよりもっと複雑な感情って感じじゃないかな
心服するほどならフローキの命令でも殺してないと思うんよね
王に覚醒するか不確かな状態で賭けに出たクヌート殿下の時と比べると態度が違いすぎる #Vinland_saga
アルトリウスを見限った時アシェラッドは自身を野蛮なデーン人に規定したため
— ぼっさん (@bossan_kim) 2019年12月30日
以降本心とは別に計算高い悪党として英雄を嫌悪する側に立った
トールズへの容赦無い仕打ちもそこからきてる気する
トールズが殺さずに自分達を制圧したと知りかつて自分が理想とした英雄の美への合致を見た #VINLAND_SAGA
個人的には、クヌート奪還を図る前のアシェラッドはどっちかっていうと英雄への嫌悪があったんじゃないかと思う。
仇敵に育てられ復讐の種を宿したって境遇でアシェラッドとトルフィンは近いしお互い親譲りの抜群の戦闘センス
— ぼっさん (@bossan_kim) 2019年12月30日
それでも目的のため簡単に己を殺したアシェラッドに対し最後まで激情に囚われていたトルフィンは全く似ていない
自分とトルフィンの違いをアシェラッドはトールズに見たのでは #VINLAND_SAGA
実感として、死んだ人間より生きた人間の方が意識に強く作用するはず。
「トールズを超えろ」は、アシェラッドにとってトールズよりトルフィンの方が存在が大きかったってことじゃないかと。
ここまでは言い過ぎだけどアシェラッドがクヌート擁立を図ったのはトルフィンの影響で捨て去った青春を取り戻したくなったとか考えても面白い
— ぼっさん (@bossan_kim) 2019年12月30日
まあ何にせよ早熟すぎたアシェラッドからすれば自分と異なるのはいいとしても全く成長がないトルフィンに忸怩たる思いがあったのは事実だった #VINLAND_SAGA
トルフィンの存在がアシェラッドにもポジティヴな影響を与えていたらいいなという希望。
青春云々は戦国時代好きな人なら関ヶ原の如水のイメージ。
理想だった父上トールズは他ならぬ自分を守るために死に
— ぼっさん (@bossan_kim) 2019年12月30日
残されたトルフィンはその咎から抜け出せず人生を復讐のためと規定するしかなかった
抱えた理想が大きすぎて理想が破れた後もその影の呪縛でしか生きられない
アシェラッドがトルフィンに情を感じた要因はこの性に対する共感では #VINLAND_SAGA
トルフィンが偉大な父トールズの死に人生を囚われたように、アシェラッドもアルトリウスという偉大な英雄に対する裏切りに囚われていた。そしてその自覚があったからこそ、アシェラッドはトルフィンを気にしていたのでは、という解釈です。
アルトリウスの呪縛に苦しんだ男がトールズの影からその息子を解放する
— ぼっさん (@bossan_kim) 2019年12月30日
戦士の業で繋がったアシェラッドからトルフィンへ最大限の贈り物
トルフィンを半殺しにした後言ったトールズへの皮肉
親が立派すぎるせいで息子が成長できねえっていうアルトリウスへの恨みも重ねた言葉だったかも #VINLAND_SAGA
散々苦しみ抜いた末にアルトリウスの末裔としての自己に決着をつけたアシェラッドが、同じくトールズの子という自己に苦しむトルフィンに対して言葉をかける。
僕としては、アシェラッドにとってトールズはアルトリウスに近い存在なので、憧れというよりはコンプレックスに近い相手という解釈ですね。