ウェンディ、ゼンダに立つ 『伝説のオウガバトル』攻略日誌 幕間7.5 解説編

 

  本稿の概要に関しては、こちらをご参照ください→

 今回の記事のリプレイ編はこちら→

 では、本文をご覧ください。

 

 

キャラクター

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デボネア

 メインとなる話は前回やりましたが、それを受けて今回は、戦いを止めるために動くデボネアという形です。

 やたら創作エピソードが多いと思うかもしれませんが、それも已む無しというか、彼はイベントにおける台詞量から、シナリオ上の主人公的立ち位置にあるトリスタン皇子なんかより、遥かに存在感出してるんですよね。後半戦の仲間になってからは、敵である帝国軍幹部との絡みもあって、実質主人公と言っていい活躍ぶり。

 ただ、アッシュの言ったように、自身の信念に従ったデボネアゼノビアに左遷するようなエンドラなら、戻って進言なんかすれば捕縛されるのは目に見えてたはずなんですけどね。その辺は甘さというか、盲目というか。“やらねばならぬこと”って、クーデターだったんでしょうか。流石に愚行だと思うので、ウォーレンに一言入れさせてもらいました。

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ライアン

 本稿を書くに当たって、原作に最も改変を加えたキャラクターです。年齢も、20代前半ということにしてあります。ギルバルドの事を知らずに、「獣王」を名乗っていたということで。

 本編のライアンは、いかにも粗暴な傭兵といった感じですが、それだと、「ワールドエンド」を目指す正義のウェンディ軍にはちょっと似つかわしくないんですよね。

 なので、己を大きく見せる野心家な部分は変えないままで、その手段を善行によってのみ為すという風にキャラクターを変更しました。大体五千ゴートを払った結果仲間になるなら、五千ゴートは回収できるんじゃ? 個人的には、七人の侍の菊千代をイメージしています。

 実質創作キャラのようなものであり、ウェンディとも年齢が近いので、本稿では最も動かしやすいキャラクターになるかと思います。

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バーニャ

 トリスタンを逃がした乳母。なのに何故一緒に居ないのか。そして何故「栄光の鍵」をお前が持っているのか。あとジャンはどうなった?

 そもそも作品内の世界では、アッシュによりゼノビア王家は皆抹殺されたというのが通説なはずで、グラン殺害後の混乱期、如何様に王家殺害の噂が生まれたのか、帝国は真実を知り得ていたのか、一介の乳母と思しきバーニャが、どうやってトリスタンを逃がしおおせたかという経緯を創作しました。

 貴族等の政権簒奪後、王家の人間は人前に出ることがなくなったので、死亡説が出た。帝国との開戦により、注意の空白地帯が生じたゼノビア王宮で、バーニャが息子を身代わりにしてトリスタンを逃がし、暗躍したアプローズの悪知恵でトリスタンは死んだことにされた。帝国はトリスタンの存在を把握していなかった、というかそもそも重要視してなかったかも。

 栄光の鍵は、息子の亡骸を引き取った時に回収したことにしました。息子の命と引き換えに護ったトリスタンと、その象徴である栄光の鍵により、彼女のゼノビア王室付き乳母としてのプライドが強調できて良かったかなと思います。

 初見時は、「えっ、俺が王様なるんじゃないの?」って吃驚だったんですが、身の程弁えろとか言われて腹立ちますね。年月を短縮したのと、この時の高圧的な態度から、年齢はまだ元気な50代としました。大体この時期のトリスタン、何もやってないし、民主主義の世界で育った僕からしたら、帝国と戦ってるオピニオンリーダーの方がよっぽど新王に相応しいと思いますけどね。

 

プレイ記録

ドロップアイテム

 今回は、スラム・ゼノビアステージの戦後処理になります。

 とその前に、攻略時のドロップアイテムで「7リーグブーツ」を入手しました。

 「7リーグブーツ」は、マップ上で使える部隊移動用の消費アイテムで、攻略指南などではよく多用されていますが、オピニオンリーダーの隊をメインで動かす僕のプレイスタイルからすると、7リーグブーツより「オールサモンズ」の方が使えるんですよね。しかも、オールサモンズ既に5つも持ってるし。これは質入れ用になるかと思います。

アイテム回収その1 

 今回の実働部隊は、フルメンバーで行く必要もないだろうということで、グリフォンのパラディオに、ウォーレン、ランスロットの移動速度重視の部隊にします。

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 そのウェンディ隊でまずは南下し、マップ南の埋もれた財宝の一つを回収しました。

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 財宝は「ペリダートソード」でした。マラカイトソードの劣化版なので、正直微妙。

ライアン雇用

 北部のアイテム回収に向かう前に、一旦アンベルグを経由してライアンを雇用します。

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 攻略前すげなく断ったライアンの申し出ですが、攻略後は前回比75%offという破格のお値段になっているので、五千ゴート払ってライアンを雇用します。

 今後イベントなども特にないんですが、お金は余ってるので仲間にして損はないでしょう。

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アイテム回収その2

 ライアンを雇用した後は、再びアイテム回収に戻ります。

 バイロイト西方の山中に一つ。「雷鳴のヘルム」でした。雷撃耐性は結構上がるので、まあ悪くない。

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 ここから北の半島部、及び小島に、3つの財宝があるのでそれも回収。

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 1つ目は「バーニングバンド」。火炎耐性は上がりますが、効果は薄く、氷結耐性が下がるデメリットもあるので、ぶっちゃけ外れ。正直この時点で、リセットボタン押そうか少し迷った。

 2つ目は「イスケンデルベイ」。既に1つ持っている主力武器だったので、これならバーニングバンドの失敗は目を瞑ってもいい。

 本作は、消耗品、装備品、貴重品が全て同じ場所にストックされるので、アイテムの管理が必須になります。なのでストックを食わないアイテムの重複は、寧ろ嬉しい展開です。

 3つ目は「シグムンド」。雷撃属性の武器で、最高クラスのSTR補正。ヤッター。

栄光の鍵入手

 アイテムを全て回収したら、ゼノビア西方の小島にある隠し拠点、貿易都市カルロバツを解放。

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 バーニャが現れ、トリスタンの生存が明かされる。たかが乳母の癖に偉そうな彼女に付き合って、大陸を治めるか?の問いに「いいえ」と答えると、「栄光の鍵」を入手。

 最悪無くても、カオスフレームの関係でトリスタンを仲間にすることはできますが、折角なので貰っておきます。

人員整理

 ここまでのプレイで軍団の人数が増えてきたので、画面を見やすくするためにリストラします。

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 まず、魔獣はグリフォン以外使うことはないんですが、見栄え的に1種類ずつは残しておきたいと思います。

 なので、ドラゴンとワイアームを1頭ずつ破棄。

 グリフォンは居ても困らないんですが、あんまり多いのもなんなんで、1体減らして3頭に。この前入ってきたばっかのマラトーンですが、ゼノビアに置いていきます。

 亜人種、つってもまだ有翼人しか居らず、彼等は居れば居ただけ役に立つので3人とも保存。

 問題は男性戦士で、彼等の数が多いんですよね。

 固有キャラ6人も皆男性戦士と言っていいので、汎用キャラを思いきって6人解雇します。

 また女性戦士も2人減らして、4人でいいでしょう。

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 こんまりスタイル。

 リプレイで名前の出たアンディやエリーゼを解雇したので、彼等にはゼノビアの復興と統治を任せるという名目を与えておきました。

 

これまでのおさらい

 第1部の流れを大まかに整理したいと思います。

  • 序幕:本稿における(独自)設定

 13年前、大陸全土を巻き込んだ戦争(「ゼテギネア大戦」)に勝利したハイランド王国は、他の四王国を滅ぼし「神聖ゼテギネア帝国」を建国。

 皇帝に即位したハイランド女王エンドラによる独裁の下、帝国は軍拡路線を断行するため民に重税を課し、政策に異を唱える者を次々と投獄していった。

 帝国の支配により、神の教えを蔑ろにする暗黒道が大陸に蔓延し、太古の時代に封印されし魔界の者達も、その復活の時を待ち望んでいる。

  • ステージ1:ヴォルザーク決起

 外海と接する小島サージェムに住む巫女ウェンディは、帝国支配の余波を受け脅かされる生活に発起。悪の根源、神聖ゼテギネア帝国打倒のため、大陸に渡ることを決意する。

 13年前の大戦を傍観することしかできなかったヴォルザーク島に住む占星術師ウォーレンは、時代のうねりの中に自らの意志を示すため、帝国に反抗する戦士達を招集する。

 祖国滅亡の無念を臥薪嘗胆に、13年間戦い続けてきたランスロットを含む旧王国戦士団は、同じくヴォルザーク島に呼び寄せられたウェンディをリーダーに仰ぎ、打倒帝国の旗を揚げる。

  • ステージ2:シャローム辺境に上陸

 大陸へと渡ったウェンディ軍が、最初に対する敵は盗賊上がりの男、蛮勇の士ウーサー。彼はランスロットとの因縁があった。

 大戦時、ゼノビア軍の陣中にあったウーサーは、計略によってゾングルダークを奪取。そのまま帝国に寝返り、騙されたランスロットは、自らの過ちを悔い続けてきたのだった。

 ウェンディの言葉で王国騎士の誇りを取り戻したランスロットは、屈辱の過去と決別し、明日を切り開くためウーサーに戦いを挑む。彼の剣は、13年の後悔を断ち切るように閃いた。

 シャロームを治めるは、元ゼノビア王国魔獣軍団長、天空のギルバルド。彼はシャロームの安寧のため、戦士の誇りを捨て帝国へ臣従した。

 親友のカノープスは彼の苦悩を誰よりも理解しており、一度は仲違いしたギルバルドの苦痛を終わらせるためウェンディ軍へ加わる。

 ウェンディとの戦いに明日を築いていく光を見たギルバルドは、自らの命と引き換えにシャロームの安堵を申し出るが、カノープスの説得もあり、ウェンディを支えるために戦うことを誓う。

  • ステージ4:ジャンセニア湖の魔物

 人狼伝説の残るジャンセニア湖の支配者、天狼のシリウスは、本物のウェアウルフであり、残忍な欲望のままに都市の娘を拐っていた。
 騙し討ちを得意とするシリウスの策により、窮地に陥るウェンディ軍だったが、自分達の戦いの重みを思い出し、再戦の末シリウスを撃破する。

 だが、同時にウェンディには、相手の命を奪う戦いという正義の重みが、その身に改めて深くのし掛かった。

  • ステージ5:デネブの庭制圧

 ゼノビア南方の山岳地帯に住まう魔女デネブは、ラシュディ所蔵の魔導書と引き換えに帝国に従っていた。

 魔導書の研究が終わった以上、帝国に従う気はないというデネブに対し、ウェンディは市民に害をなさないことを条件に、その命を救う。

 しかし、性根が我儘なデネブに対する民衆の反感は根強く、ウェンディ軍はその評判を落とすこととなった。

 大戦時、大多数のゼノビア軍、及び民間人が森と共に焼き払われたポグロムの地には、未だに大量の怨念が漂っており、ゼノビア人にとって負の歴史を刻んでいた。

 この地を支配する黄玉のカペラは、大魔導師ラシュディの弟子の一人とされる魔術師であり、ポグロムの死霊を使って、外法の魔術を行使しようとしていた。

 魂を弄ぶカペラを撃ち破ったウェンディの手により、呪いとなって影を落としてきたポグロムから、ゼノビアは漸く解放された。

 ゼノビアの東に位置するバイロイトには、王家殺害の大罪人であり、元王国騎士団長でもある狂戦士アッシュが囚われていた。

 グラン王殺害の真実を語ったアッシュは、王家を失った騎士としての自分を葬り、ウェンディの剣として残りの生を見出だすと、因縁のある疾風のデボネアとの戦いに挑む。

 ウェンディ軍に敗北したデボネアは、命を捨てる場所をエンドラの元と定め、戦いを止めるためにゼテギネアへ帰還する。

 

創作要素

 ゲーム本編では、五王国の戦争は25年前ということになっているのですが(ゼテギネア大戦という語も造語)、本稿では諸々の事情により半分に短縮して13年前ということにしてあります。それに伴い、年齢も多少変更。

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 伝説の勇者であるオピニオンリーダー(本稿におけるウェンディ)は、東の孤島サージェムの出身ということにしました。実際は出身地不明であり、サージェムも非実在の島なんですが。

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 本編のウォーレンは何を考えてるか謎な人物ですが、本稿では大戦時、王国の崩壊を為す術なく見るしかなかった後悔を抱えていたというキャラクター付けをしました。以降の攻略でも、軍師的ポジションを担ってもらっています。

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 ランスロット加入に際しても、本編では“いい目をしている”だけの理由でしたが、それじゃあんまりなので、ウェンディの戦士としての覚悟を試すくだりを入れました。

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 本編では一言だけだったウーサーとランスロットとの因縁を創作し、両者のキャラ立ちと、新しい時代を築いていくというウェンディ軍のイメージも示すことができたと思います。

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 カノープスとギルバルドの親友という関係性を強調し、カノープス加入に際した、ギルバルドの苦痛を終わらせるという目的意識を明確にしました。

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 ギルバルドの翻心においても、民のために自分一人の戦いに殉じようとしたギルバルドの心を、明日への希望を追い求め続けるウェンディが溶かし、人々と協力して戦うという流れにしてあります。

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 シリウス戦は、彼の策士キャラを強調することで、ウェンディ自身の戦う意味とその覚悟を問い直させています。

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 それを受けたデネブ戦では、デネブを殺さないという選択に説得性を持たせると同時に、民衆の求める正義も提示しました。

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 ラシュディの弟子として、アルビオレ、サラディンと比肩されるカペラの格を上げるため、魔神の召喚を行おうとしており、彼の魔力はそちらに割かれていたということにしました。

 またこのステージでは、汎用女性戦士のエリーゼに裏主人公的性格を持たせてもいます。

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 アッシュの台詞から、デボネアと面識があったらしいので、騎士団長時代に師弟関係のようなエピソードがあったことにして、両者のキャラクターを立たせています。

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 また、アッシュが大逆の罪人とされた、グラン王殺害の経緯も語らせ、死に場所を求めるという彼の加入時の台詞をそれっぽく仕立てています。

 

 第1部は、個人的な正義感というある種の感情で打倒帝国の志を掲げたウェンディと、帝国に滅ぼされたゼノビア王国旧臣の意趣返し、という向きが強かったと思います。

 ですが第2部からは、大陸に秩序をもたらすため、トリスタンとラウニィーという、新しい時代の中心を求める戦いに入っていきます。

 第1部はなかなかのボリュームとなりましたが、もしかしたら第2部はもう少し軽くなるかも。よろしければ第2部以降も、お付き合いください。

 

伝説のオウガバトル

伝説のオウガバトル

  • 発売日: 1993/03/12
  • メディア: Video Game