ひろプリ29話 自分用感想メモ

 

 先日見た『ひろがるスカイ!プリキュア』第29話「ソラと、忘れられたぬいぐるみ」。

 初見ではちょっとわかりにくい内容だったので、自分用に流れを整理して感想をまとめておきます。

冒頭
  • マロンの依頼とソラの拒絶

 廃洋館に迷い込んだソラに、マロンはここから連れ出してとお願いするが、喋るぬいぐるみを受け入れられないソラは、マロンの依頼を拒絶。

序盤
  • ソラに拒絶され、引きこもるマロン

 ポルターガイストを利用して引きこもるマロンを、エルが解放。以降、周囲は完全に取り巻き状態。

  • マロンの依頼を引き受けるソラ

 自身の恐怖よりヒーローとしての使命を優先して依頼を引き受けるが、この時点ではまだマロンの存在を受け入れられていない。

  • ましろ「ぬいぐるみっていいものだよ」

 ましろからぬいぐるみは“初めての友達”と説明され、ましろの存在を介してソラはマロンに理解を示す。

中盤
  • 夢の中の邂逅

 夢の中でソラは、マロンの記憶を追体験する。ぬいぐるみと過ごす幼少期を知ったソラは、マロンとずっと一緒にいると言うが。

  • マロンの別れ

 永遠などないと知るマロンは、ソラを拒絶。廃洋館で持ち主を待つと告げ、ソラの元から去る。

  • 廃洋館の戦闘

 廃洋館に閉じ込められるソラ(+その他)を、マロンが救出。ソラは、マロンの手を取って廃洋館から連れ出す。

終盤
  • 持ち主と再会

 マロンは持ち主と念願の再会を果たすが、互いに向き合う勇気が出ない。マロンの名前ここで判明。

  • マロンの心を代弁するソラ

 勇気が出ないマロンの代わりに、気持ちを代弁して仲を取り持つソラ。「ずっと待ってた」。

  • 別れの言葉

 持ち主の元へ帰るマロンが、ソラにだけ聞こえる「ありがとう」を送る。ソラは寂しさを振り切って、マロンに笑顔で手を振る。

ラスト
  • ソラ「ぬいぐるみっていいですね」

 マロンを見送り、傍らのましろ(+その他)と並んで立つソラのその視線の先には、広がる晴れ渡る空。

感想

 ハナから孤独だったソラには、ぬいぐるみとの思い出(=友達との別れ)が理解出来ないって見せ方は面白かった。ぬいぐるみが喋る明らかに異常事態を周りに普通に受け入れさせることで、ホラー表現による異化効果を、みなが通る経験をしてないソラの異常性に転化させてる。

 ぬいぐるみとの思い出を擬似体験したソラは、ここで持ち主の少女と同じ次元に立つ。けどその先の別れを経験してるマロンには、ソラの言葉は届かない。あの子のことを待つってのはソラを突き放すための嘘よね。洋館ランボーグは心を閉ざしたマロンの象徴。

 でも本当は1人は寂しいって心がキュアスカイを助け、延いてはソラを洋館に呼び寄せた。ヒーローとしてではなく友達として手を取ってくれたソラに背中を押され、別れが来るとわかっていても今一緒にいたいという本音に正直に、時間の止まった洋館から出る決意をする。

 持ち主はともかくマロンに勇気が出ないのは、いずれまた終わりが来るとわかってるからで。そこに声充てって嘘で、仮初めの永遠を肯定するのがニクい。声充ては自身の内面と向き合う行為でもあって、ヒーローとして抑えてた涙が友達の言葉に一瞬溢れる。

 ソラだけがマロンの声を聴けたのは、ぬいぐるみを卒業した3人に対し、ソラが“ロマン”を追い続けてるからだと思う。開け放った窓を風が吹き抜ける度、ソラは大人の階段を上っていく。マロンが聴かせた声を受け止めるヒーローこそ、ソラの目指す“ロマン”になるんだろう。

考察

 メタ的には、「友達」のラストカットや出会い~別れの時間軸が、来るましろとの別れを連想させる。別れを受け入れつつ永遠を信じたマロンのように、無限に広がる空の可能性を信じてソラシド市の友達を思い出にする時が、ソラにも来るのかもしれない。

 こうして見ると、幼少期の人形遊びとヒーローの孤独を絡めて、憧れに向かって走り続けるソラというキャラクターの物語に仕上がってるかもしれない。なんか『ひろプリ』こういう、初め取っ付きづらいけど噛んでる内に味がわかってくるスルメみたいな話多い気がする。