『スター☆トゥインクルプリキュア』48話「想いを重ねて!闇を照らす希望の星☆」が神回だったので、その感想を書きたいと思います。
放送に沿って感想を付けていきます。あらすじは省略するので、本編視聴後の閲覧を推奨します。
アバン
蛇遣い座にフワを奪われても「必ず助ける」と折れなかったひかるが、目の前で散ったフワを見て完全に放心。
牡牛座が白々しく語るフワの命懸けの特攻の価値を、無に帰すが如く響く蛇遣い座の笑い声。
特殊OPから暗転する背景に浮かび上がるタイトルで、一気にひかると同じテンションに引きずり込まれる。
失意のひかる
フワの特攻が不発に終わった理由を、ひかる達のフワを思うイマジネーションのせいと蛇遣い座が冷静に分析。
やっぱ思いは重なってなかったのか。
てか、本当この人誰よりもイマジネーションを理解してるのよね。
闇に呑まれ、昏い宇宙で一人、フワを守れなかった無力感に襲われ打ちひしがれるひかる辛すぎる。
宇宙で出会った
そのひかるを見つけ出すひかララの絆尊い。
暗闇の中で光るララの触覚、宇宙に浮かぶ星みたく見える。
終わりゆく時間を実感した直後、現れるトゥインクルブック。
そこには、ひかるのイマジネーションが見出だしたフワの形象。
イマジネーションが消えてないことを示す本/星座/出会いのギミック完璧すぎる。
宇宙を取り戻す
未知と出会う宇宙と心に世界を開くイマジネーションが、ここで“=”で結ばれる。
“私”の宇宙があるように、“私達”の宇宙がここにある。
みんなを守ろうとしたフワの思いを、心の中にいるフワを守りたいから、諦めるわけにはいかない。
イマジネーション→宇宙を守る、に繋げるこの一連の流れは本当神懸かってる。
歌
そして変身ソング。
メインテーマの宇宙とイマジネーションを回収した後に、もう一つの歌をこう使ってくる。
アレンジが神すぎるのももちろんだけど、この変身は、プリンセスから受けた力を使い切った後の、ひかる達自身のイマジネーションでもあるし、旧シリーズでは存在しない歌演出による変身でもある。
最終形態になったプリキュアが蛇遣い座の宇宙に挑む
積み重ねた時間が培った、私自身のイマジネーションをぶつけるプリキュアに、バラバラのイマジネーションが衝突し宇宙が歪むくらいなら、創造主の一元的な価値観だけあればいい、完全で美しい世界に多様性は不要、という蛇遣い座の理屈は確かに正論。
「そんなのつまんない」
玉座に一人腰掛ける蛇遣い座の胸中を、ひかるは確かに捉えていたのだろう。
そこから繰り出される言葉は、全てひかる達がこの1年で辿り着いた答えであり、イマジネーションの価値の証明に他ならない。
イマジネーション溢れる宇宙を望むプリキュアが、遂に蛇遣い座の闇を打ち祓う。
原理主義者もとい懐古厨は、すぐ当初の設定を持ち出して現今作品は○○じゃないからダメとかほざくけど、借り物だったイマジネーションを自分達のものにして、新しい物語を作ってく方がこんなに人の胸を打つってことを劇中でやってのけたスタプリ。
マジで新シリーズ打ち立てるって気概半端じゃない。
パーフェクトプリキュアスタートゥインクルイマジネーション(私称)の解釈
個人的にはやっぱ、闇に呑まれたみんなは意識無かったと思うんよね。
だからあの場に表れたのは、イマジネーション溢れる宇宙を望む、プリキュアのイマジネーションが呼び出したみんなの輝きで、みんなそのものではない 。
今度はその輝き達の方が、イマジネーション溢れる宇宙っていうプリキュアの意志に共鳴し、それを望んだフワの意志を媒介にプリキュアが重ね、パーフェクトプリキュアスタートゥインクルイマジネーションになる。
思うに、イマジネーションは関係性の力であって、信じることが重要になる演出なんだと思う。
フワ復活
今ならはっきりわかる。
プリンセス、今までふわっとしたことしか言わなかったのは、惑星レインボー戻すアテなんかない空約束だったんや。
トゥインクルブックに手を重ねていくプリキュア達、まさしく思いを重ねて。
アイユニのくだりもご都合展開だけど最高。
AIの「忘れるはずがありません」はもうズルい。
信頼できる漢プルンス
プリンセスが「フワは私達が」っつった時は唖然としたけど、プリキュアにプリンセスを責めさせないことこそ、子供向けアニメとして信頼の証。
それでも「プルンスお願い」って託したのは、大友向けの配慮かも。
プルンス、最初ネタキャラかと思いきや、終わってみれば史上最高にカッコイイ世話役妖精だった。
「ありがとう」「またね」
こっから涙のお別れシークエンスに入るんだけど、真横からのカットで、ずっとゲート開いて待ってるガルオウガが見切れてるのシュール。
カパテンの別れ際もいい。
そして「ありがとう」「またね」で完全に涙腺ぶっ壊れた。
村山功氏、まほの49話に続いて、またしてもシリーズの歴史に残る感動的な別れの回だった。