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では、本文をご覧ください。
概説
人狼伝説
本作『伝説のオウガバトル』では、幾つもの伝説が登場します。今回のテーマ、人狼伝説もその一つです。
この伝説っていうのが面白くて、史実であれば客観的な見方一つに確定されることが前提なのですが、伝説の場合それを語る人の見方は全て正しいんですよね。
そして『伝説のオウガバトル』というゲーム自体が一つの伝説を描く作品であるため、本作にはユーザーの数だけ真実の物語が存在するんです。
今回は、そうした伝説の面白さを提示する意図から、いわゆる玉虫色の見方ができるような伝説を創作してみました。本作が見せる“真実”に、新たな彩りを添えられれば幸いです。
変身を姿が入れ替わるとした展開は、タロット「ムーン」の効果の反映にもなっていて、上手くいったと思います。
低空移動
全地形直進可能な飛行ユニットを作れ、かつスロットを一人分しか使わない有翼人は攻略の心強い味方なので、お世話になった方も多いと思います。
ですが、そうなると人間サイズの有翼人が4人を背負って飛んでるという図になり、流石に無理があると思うので、本稿では風の加護を付与するという解釈で、低空移動を実現させています。
有翼人にハーネラ信仰があるかは不明ですが、イシュタルの件も含め本稿では作品世界の信仰を独自に解釈していくので、ご了承ください。今回はドラマ的に詠唱を入れましたが、以降はやらないかな。
ウェンディ敗北
今回の投稿を長大化させた要因の一つですが、ウェンディに敗北を経験させることにしました。
歴戦の男性戦士が揃ってきたタイミングで、改めて年若い乙女がリーダーを務める理由を描こうと、彼女のキャラクターを見せる意図も含めて描写しています。
周囲に助けられながら、これまで己の正義を達成してきたウェンディが、シリウスに敗北して失いかけた正義を、目の前の現実と向き合うことで取り戻すという構成です。
ヴォルザーク島でのランスロットとの件もありましたが、自らの過ち、強大な敵とぶつかっても折れない信念こそが、彼女が軍のリーダーと仰がれる理由です。
伝説の人狼という敵には、神への信仰で対抗し、暴力で人を支配するシリウスに対しては、非道を許さない怒りでもって当たるという性格付けだったんですが、どうでしょうか。
真実を裏返して映す湖面が、それによって幻想的な美しさを生むように、
神話や伝説といった神々しい世界から戴いた彼女の魂が、民草の血と涙が流れる地上の現実の中に正義を見出だす、みたいな流れを意図しています。
シリウスとの戦いの最後は尻切れトンボになっちゃいましたが、長くなったので次回に回した戦後処理で、オチを一応付けようと思います。
シリウス
小細工
武で国を成しただけあって、神聖ゼテギネア帝国のステージボス達は結構勇ましいんですよね。本稿の言い方で言えば、戦士。
そんな中にあってこのシリウスは、正体を隠して反乱軍を招待するという、唯一と言っていい策士タイプなんですよ。
おかげでボスの中でも一際小物感が拭えないわけですが、せっかくなんで策士としてのキャラを立たせてみました。
人狼化して体臭が獣臭くなってるらしいので、ちゃんと臭い消しをして、一貫してウェンディに軽蔑されてるのは、自身を小物に見せるための演出でもあったということにしています。最前線のアンタルヤまで出張って、反乱軍を視察しに来るほどなので。
頭がいいなら無駄な行動はしないだろうということで、ガジアンテップには「光の囁き」の回収に来たということにしています。本編では問題なく買え、昼間のシリウスを攻略可能なのですが、ここ放っておくと間抜けすぎるので。
残虐性
小物を使ってドラマを作るために、凡庸な悪ではないですが、悪としての格が低いほど行為が残虐になるという観念を利用しています。領分を弁えない力の行使は、彼の死に様にその報いを与えます。
再構成はしていますが、娘達を拐って喰い殺し、湖に投棄していたというのは本編通りです。女ばかり拐っていたのは、コンプレックスと、より恐怖で支配しやすい相手を選んでいたということですね。
彼の年齢は、態度の軽い感じや、領民からも舐められている様子から20代後半を想定しています。それでも、女子高生くらいの少女を抱いていたことにしたのでロリコンみたいです。
人狼の血が残虐性を増しているのかもしれませんが、食欲や嗜虐嗜好で殺していたとなると、在任期間にもよりますが流石にクラスノダールだけでは娘の数が足りないと思うので、調教に逆らった相手を殺していたということにしました。身体能力は、強敵と言えば三倍っていうノリで勝手に付けました。
ランスロット周りに関して、システム上ナイトはライカンスロープ/ウェアウルフにはならないんですが、劇中人物達は確率の問題だと思っています。またウェアウルフも教会で回復することは可能なんですが、それっぽいので嘘をつきました。書いた後で気付きましたけど、あんなガチガチの鎧着てたら肉咬み千切るとか無理ですね。鎧ごと行ったんでしょうか。
天狼
本作ではお馴染みですが、彼には“天狼”という、相変わらずピンとこない異名が付けられています。
同じ“天”繋がりで、隣接地帯の領主だったギルバルドと対比させてみました。二人の親がいないという設定は創作です。ギルバルド捨て子だったんですね。
カノープスという親友がいるギルバルドに対し、周りに女ばかりを侍らせて支配しているシリウスは、コンプレックス抱えてそうだなと。孤独な生い立ちで育ったコンプレックスから、孤高をイメージするような天狼という異名を自称したのではないでしょうか。
流石に本編時間の25年間も娘を拐い続けて、人狼であることがバレないわけないので、オミクロンがジャンセニア湖の前任統治者だったと創作しました。彼の軍団は、隠しステージアンタンジルのガルフを除けば、唯一ウェアウルフを陣中に配しているので、ジャンセニア湖赴任中、シリウスからウェアウルフ因子を抽出したのではと。
シリウスにとって、ギルバルドのカノープスとグランにあたる役割をしたのがオミクロンと帝国であったことが、両者の差を決定的なものにしたという持ってき方です。
プレイ記録
軍団編成
1番隊は、戦後処理でも使う固有キャラで固めたウェンディ隊です。リプレイで使い易いというのもありますが、僕自身こういうのが好きなんですよね。2番隊は、エーニャをリーダーとした迎撃部隊です。3番隊、4番隊は、それぞれエリーゼ、リサリサをリーダーとし、解放した拠点の防衛任務です。
戦線を支える必要があるエーニャ隊は、優秀なアイテムをフル装備させます。
敵を迎撃してる間に成長したエーニャ隊のケミィ、アイランは、一度INT成長と部隊継戦力の高いクレリックへと変えます。
さらにエーニャ隊のヘクターも、条件が成立し次第ナイトへとクラスチェンジさせます。
そしてLv.が上がったケミィとアイランは、最も成長度の高いヴァルキリーへとチェンジです。
今回の戦闘で、エーニャ隊の面々はLv.が上がった結果ALIが低下してしまったので、クビ候補ですね。残念。
エルズルム近辺の戦闘でLv.が上昇したウォーレンは、HP成長と後衛攻撃に適性の高いビーストテイマーへと変えました。
最終決戦では、エーニャ隊に着けていた装備一式をウェンディ隊に着け替えます。実は神聖武器の「神宿りの剣」があるんですが、今回はウェンディに止めを刺させたかったので、INT補正を活かして彼女に装備させました。またウェンディは、氷結魔法「アイスレクイエム」ではなく、神聖魔法「バニッシュ」を撃たせるため、隊列を変更して後衛から前衛に配しています。
ステージ攻略
エーニャ隊を先行させて敵の進軍を阻みながら、ウェンディ隊を使ってアンタルヤ→クラスノダールを解放してイベントを見ます。低空運搬のマックスウェルを擁するエリーゼ隊は遠くのクラスノダール、翔べないリサリサ隊は近場のアンタルヤへ向かわせ、両拠点の防衛です。
白/黒/赤/紫の線が、それぞれウェンディ隊/エーニャ隊/エリーゼ隊/リサリサ隊の進路を表しています。
エーニャ隊で敵の侵入を阻んでいたガジアンテップを、ウェンディ隊で解放します。完全な攻略を目指すなら、シリウスの誘いに乗ってはいけないのですが、敵の甘言に惑わされるのもこれはこれで善人っぽいし、リプレイのウェンディをここで成長させるため、あえて騙されてみました。ペナルティとしてカオスフレーム(右上のゲージ)が減少しますが、まだ重要性は低いですし、この後とある美女を勧誘するためここから更に下げる必要があるので、問題ありません。
ちょうど日が暮れる頃ですが、シリウスが人狼とは知らないことになってるので、構わずエルズルムへ行きます。ウェンディ隊を引っ付かせたエーニャ隊で橋を渡った辺りまで進軍させたら、ウェンディ隊だけでエルズルム城へ突撃しますが、敗退しました。「ラヴァーズ」で被ダメを抑えれば、ゴリ押しでワンチャン行けるんじゃと思ったんですが、甘かったですね。ランスロットが重傷を負って死にかけたので、撤退して態勢を建て直します。
エーニャ隊に前線を任せて「光の囁き」を入手しに行ってもいいんですが、ウェアウルフ状態で調子こいてるシリウスを倒してこそ気持ち良く勝てるので、エーニャ隊にガジアンテップへ後退してもらって、ウェンディ隊は南東の教会へ「ルーンアックス」を取りに行きます。まあ弱点を衝くのも十分卑怯なんですけどね。直進したら城にぶつかりそうだったので、一度南に迂回させてから向かわせます。
拠点の回復機能を待つのも面倒なので、キュアポーションでランスロットのHPを回復したら、エルズルムへ向けて進発します。
エルズルム城へ突入するタイミングで、上述の最終決戦仕様に変更し、シリウス撃破です。
リプレイでは、攻略後の戦後処理は次回に持ち越しましたが、実際には、消耗品の補充と北東の埋もれた財宝を回収するだけなので、ここで記述します。
戦闘時のドロップアイテムで、「オールサモンズ」と「闇の香り」を手に入れました。
オールサモンズもう買う必要ないですね。
闇の香りは「光の囁き」と対になる効果で、使用すると前者は真夜中に、後者は真昼間に時間を動かすことができます。ですが、夜は基本的に敵の方が強くなるので、折を見て売却しようとおもいます。
ガジアンテップで、キュアポーション×12とソウルコール×1を補充しました。光の囁きはシリウス戦ほど重要になることはもうないので、買わなくてもいいでしょう。
財宝は「イスケンデルベイ」でした。火炎属性の高STR補正に加え、若干のINT補正も付くという超優秀な武器です。ヤッター。
短いと予告しながら、過去最長の投稿になり、前後編に分割するという。しかも長くなったので、戦後処理は次回持ち越し。正直、もう開き直ってないとは言えない。
リプレイに関しては次回の冒頭で、今回の戦いがウェンディにとってどういうものだったかオチを付けたいとおもいます。
次回のデネブの庭は、特にイベントもないので、短くなるはず。短いんじゃないかな。多分。
よろしければ、またお付き合いください。
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