ウェンディ、ゼンダに立つ 『伝説のオウガバトル』攻略日誌 幕間3.5

 

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 では、本文をどうぞ。

 

第1部 シャローム蜂起編

幕間3.5 理想が落とした影

 ぺシャワール城解放後、ウェンディ達はユーリアの居た教会を訪れた。

「ありがとう。貴女のおかげで、無駄な血が流れずに済んだわ」

 ウェンディ達は、改めて感謝を告げに来たのだった。

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「お礼を言わなければならないのは、こちらの方です。兄の誇りを取り戻し、ギルバルド様を救ってくださったのですから」

 ユーリアも心よりの謝辞を述べる。

「その、ギルバルドは、私達と…」

「わかっています。ギルバルド様の性格なら、そうなさるでしょう。私に止めることはできません」

 気丈な言葉だが、彼女の翼は内心を表してか、微かに震えている。当然だ。近くても会えない13年間を過ごし、今度はいつ死ぬか知れない戦地に赴くというのだ。

 一刻も早く戦いを終わらせねばならない理由が、ここにも一つできた。

 ユーリアと別れて、ウェンディ達は神父を探す。

 神父は、一人で祈りを捧げていた。

「この地では、尋ね事をする時、どなたを頼るのでしょう?」

「物識りのお方というと、アナトリアに居られるババロア様でしょう。なにしろ、噂によれば、150歳を越えているとか。年齢の真偽はわかりませんが、色々な物事をよく御存知なのは本当です。自由都市アナトリアは、レニナカン南方の隠れ都市ですので、お訪ねになるとよいかと」

 ウォーレンの問い掛けに、神父は丁寧に答えてくれたが、そこで一つ溜め息をつき、

「我等ロシュフォル教会も、神の御心を尊ぶ貴殿方に祝福があらんと、日々お祈り申し上げております。しかし、信仰とは所詮、己を救うものにすぎません。口惜しいですが、帝国と戦う貴殿方に、貿易都市ほどのお力添えはできないでしょう」

 まさか神父様からそんなことを言われようとは思わなかったが、己以外を頼りにしすぎるのは善くないということだろう。

「帝国との戦いが終わった時にこそ、神父様のお力が必要になります。私達の役目は、神父様が必要とされる世を到来させることです」

 ウェンディの言葉で、神父は少し気持ちが晴れたようだ。

「ウェンディ殿に、神の御加護を」

 自分達のために祈ってくれる神父の元を後にして、ウェンディ達はアナトリアに向かった。

 

 ウェンディは、自由都市アナトリアを解放した。アナトリアの守護聖像は、一際妙な形をしていた。

 早速、ババロアの元を訪ねる。

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「儂が偉大な魔女ババロアじゃ。お主らじゃろ、帝国と戦っておるとかいうのは。何ぞ、儂に聞きたいことでもあるのかえ」

 今度は偉大な魔女か。

「わかるの?」

「なに、お主らのことは大陸で今一番ホットな話題じゃからの。それに、人が儂に会いに来る時は、尋ね事がある時と決まっておる」

 なるほど。これは本当に、偉大な魔女なのかもしれない。

「随分お年を召されてると聞いたけど…」

「なんじゃ、儂の年齢を気にするとは。お主、儂に気でもあるのか? 儂はこれでもピチピチの172歳じゃ。さすがに添い遂げろと言われたらちと厳しいかもしれんが、お主を悦ばす手管なら、心得がないわけじゃないぞ」

 妖しく光る目に、妙な気持ちを覚えそうになって、ウェンディは慌てて話を逸らす。というか、172歳って言わなかったか。

「そ、それだけ長生きなら、この大陸のこともよく御存知よね。教えてくださらないかしら。どうして、悪しき帝国が蔓延るようになったのかを」

「固くなりおって、冗談じゃ。ホッホッホッホ」

 一頻り笑うと、ババロアはふうと大きく息をついて、

「ふむ。儂もずっとこの地に居ったわけではない故、全てを知っとるというわけにはいかぬが、伝え聞く話ならある。ちと長くなるが、良いかえ?」

 帝国を倒すなら、このゼテギネア大陸に正義を求めるならば、知っておかねばならないだろう。ウェンディは頷いた。

「帝国ができたのは、せいぜいここ十年ちょっとじゃが、ことはそう単純ではない。話は百年近く前、大陸擾乱の時代まで遡る……」

 ババロアは、大陸一円を武力制圧して生まれた神聖ゼテギネア帝国、その由縁を語り始めた。

 

「当時、神の教えが忘れ去られた地上では、力を持った者が次々と王や諸侯を名乗り、各々を頂点として小国が乱立しておった。自らの国を率いた彼等は、己が望みを叶えんと互いに覇を競い合い、いつ終わるとも知れぬ戦火に大陸中が覆われておった。力がものを言う時代の空気は下々にまで染み渡り、都市や街道、山間に海上の至る所で賊が横行し、力なき民は虐げられるばかりじゃった」

 ゼノビア王国を含めた五王国の統治が始まるまで、ゼテギネア大陸は長い戦乱の渦にあったと以前聞いた。

 権力を持つ者同士が方々で血を求め、そこかしこから湧いて出る盗賊が民を脅かす時代の様相は、ともすれば強大な帝国のみに圧迫される今の状況より、酷いものだったかもしれない。

「やがて力を求めて悪魔や魔獣を従えた人々は、禁忌とされた魔界の力にまで手を伸ばし、神話時代の大戦オウガバトルのあわや再来かと思われたその時、ロシュフォル王子率いる五人の勇者達が立ち上がったのじゃ」

 ロシュフォル。この大陸に住む人間には、最も馴染み深い名前だ。

「ロシュフォル王子は、元はここシャロームの王子じゃった。シャローム王国は、当時の成り上がりが騙る自称王国の類いとは違い、フィラーハ教と同等の歴史を持つ由緒正しき王国じゃ。大陸の東端に位置したことが幸いしてか、小国ながら戦乱の世にあって、細々と生き残ってきた。しかし、王子の父の代で遂に滅亡し、ロシュフォル王子は騎士グラン一人を供に連れ、母の遠縁を頼ってゼテギネア最後の平安の地とされたアヴァロン島へ逃れなさった」

 シャロームの民の独立心の強さは、自分達が古代王国の系譜に連なる民族という自負からなのだろう。だが、その伝統の証も、戦乱の火に焼き尽くされてしまった。

「アヴァロンは、フィラーハ教発祥の地として当時から聖地扱いされ、住む者も半分は聖職者じゃったから直接争いに巻き込まれるということはなかった。じゃが、荒廃した世で信仰を守り抜いていくことは大層困難であり、王子が辿り着いた頃、教団としての形はあってないようなものじゃった。そのアヴァロンで神官等に保護されたロシュフォル王子は、洗礼を受けていたフィラーハ教に帰依して熱心な信徒となり、俗世から離れた青春期を送った」

 戦乱によって故郷を失ったロシュフォル王子が、争いを厭う宗教家となったのは、想像に難くない。

「ところが、今から五十年ほど前、大陸東部のちょうど中心に位置するアヴァロン島を手にしようと、大陸から攻め込んで来る者等があった。ロシュフォル王子とグランは、アヴァロンの安寧を守るため五年ぶりに剣を取って戦い、侵略者を撃退した。然してこの時、王子は悟ったのじゃ。神に縋っているだけでは、真の救いは訪れぬ。神の恩恵に与りたければ、自ら神の僕として振る舞うべし。争いを止むことが神の教えなら、このゼテギネアに平安をもたらさん」

 宗教家として生き始めたロシュフォル王子が、剣を取った理由。それは、神と共に歩むためだった。信仰など消えかけていたゼテギネアで、それでも神の教えを全うしたいと願うなら、自らの内に神を奉る他なかったのだ。

大義を掲げたロシュフォル王子に、シャロームから付き従ってきた剣士のグランが賛同し、またアヴァロンの次期大神官ラビアンも共鳴した。ラビアンも、信仰の用を成さず形骸化した当時のフィラーハ教に、限界を感じておったのじゃろう。三人は、ロシュフォル王子の故郷シャロームに入り、回復を図った」

 ババロアの口調は、どことなくラビアンを知っているかのようだった。

「王国を滅ぼした隣国が早々に瓦解し、今は凶暴な魔獣達に巣食われていたシャロームの人々は、旧王家の王子の再来を心より喜んだ。魔獣の掃討に際し、山野で獣と共に暮らしていた少年が王子達に協力した。彼こそ、後の魔獣王ダルカスじゃ。シャロームという地盤を得たロシュフォル王子は、未だ戦乱収まらぬ西の大地へ向け、神の教えを取り戻さんと旅立った。それが今から40年前。暗黒の混沌に染まった世界に、正義と秩序の光をもたらす戦いは、ここシャロームの地から始まったのじゃ」

 ウェンディが東方の生まれだったことは偶然だが、大陸に平和をもたらした英雄が、今自分が立つここシャロームの地にいたことは、同じ志を抱くウェンデイを勇気付けた。

 

 ババロアの話は続く。

「ダルカスが加わったロシュフォル王子一行がまず向かったのが、南東の豊かな平野部と黒真珠海へ出る港湾の領有を求めて、諸侯等が犇めき合っていたゼノビアじゃ。ゼノビアはアヴァロン島にも臨んでおり、神の教えの復興を志すロシュフォル王子にとっても無視はできんかった。ゼノビアには若くして大陸一の賢者と謳われたラシュディも居ったが、如何な諸侯も与すに値せずとして、隠棲しておった。とある縁で王子と知り合ったラシュディは、大陸全土に秩序をもたらさんという王子の大願を耳にし、王子のために力を貸そうと決めたのじゃ。策を巡らしたラシュディは、ロシュフォル王子に絶えて久しかった彼の地の正統なる統治者、古代ゼノビア王家の嫡流を継がせることに成功した。最初は良く思わなかった諸侯等、何しろ彼等はゼノビア王家の末流を名乗ることで正統性を主張していたのじゃから、じゃが、グランとダルカスの武力を前に、あからさまな敵対的態度は取れんかった。何より、王子の目的が宗教的秩序の構築にあり、実際にラビアンが教会を設立し始め、重要な港湾の利権を解放したことから、ロシュフォル王子をゼノビア王として認め、一様に臣下の礼を取ることに決めたのじゃ。このロシュフォル王子を祖とするゼノビア王室が興され、旧ゼノビア王国一円に秩序がもたらされるまで、二年かかった」

 誰より神の僕たれという信念が、力で支配することしか知らなかった諸侯等を靡かせたのだ。ロシュフォル王子は、やはり偉大な存在だ。それにしても、亡国の王子に過ぎなかったロシュフォル王子を古代ゼノビア王室に繋ぎ、諸侯等を服せしめてしまうとは、ラシュディという男の才覚は尋常ならざるものであること疑いない。

「シャロームの王子ロシュフォル。王子に仕える剣士グラン。アヴァロンの僧侶ラビアン。モンスターを手足の如く扱う魔獣王ダルカス。そして大陸一の賢者ラシュディ。彼等がゼテギネア大陸の救世主と言われる、五人の勇者じゃ」

 ウェンディにウォーレンやランスロット等がいるように、ロシュフォル王子にも大義を手助けしてくれる仲間がいた。偉業は一人では成し得ない。

「五人の勇者達は、アヴァロン島を経由して黒真珠海の西岸ディアスポラに渡ると、占拠していた盗賊達を討伐し、大陸平定に乗り出した。大陸南部は、手を組んだ下級悪魔の力を使って欲望の限りを尽くす諸侯等の巣窟と化しており、南端のホーライ王国が辛うじて古い神の教えを守り抜いておった。神を崇める同志として、ロシュフォル王子はホーライと手を結ぶことを考え、ホーライ王国も助けを欲したため、教会設立の名目の下、ゼノビア軍はホーライ軍の北征を援けたのじゃ」

 この頃、世俗の統治に関して非干渉を貫くロシュフォル教の基本方針が決められた、とババロアは語った。

「南部平定の目処がついた勇者達は、次に大陸北東部に進出した。山間に位置するバルモア、峡谷沿いのカストロ、そして島嶼部からなるカストラートで構成される北東部は大国が生まれにくく、小規模勢力が小競り合いを続ける地じゃったが、大国ゼノビアとの同盟を取り付けたドヌーヴ王国によってそれらが統合され、一応の戦火は収まった」

 じゃが、とババロアは付け加えた。この時、少数民族として強引に組み込まれた人魚達との間には禍根を残すこととなり、カストラートの人魚達はドヌーヴ王家にとってのアキレス腱となったのだと。

「大陸東部の平定が成った勇者達は、ホーライ王国が征服したバルハラを通り、大陸の西へ抜ける。と、ロシュフォル王子の前に、ダルムード砂漠の中央、小国オファイスの使いと名乗る者が現れ、是非とも勇者殿の聖戦に協力したいと申し出てきおった。ゼノビア軍の協力を得たオファイスは、天然の要害と化すアラムート一帯に拠る小国家群を征服し、大陸西部域を支配する大国となった」

 どうやら勇者達の軍が、教会さえ作れば出て行く統治者にとって都合のいい軍隊だということをオファイスの情報網は掴んでいたらしく、それを知ったオファイス王が勢力拡大の好機とみて、ロシュフォル王子の協力を引き出したらしい、とババロアは語っていた。

「大陸北西部は雪に覆われた極寒の地じゃが、この地の兵、特にハイランド王国の騎士団は精強で知られ、独力で支配権を確立しつつあった。勇者達の協力を必要とはしておらなんだが、王は己の武のみを頼ることなく、教会の設立を快く受け入れた。じゃが、安寧の世は未だ成らず。大陸中央部のマラノでは、力への憧れを捨てきれぬ者達が結集し、勇者達の軍へ対抗するため魔神を召喚したのじゃ」

 力への崇拝は己の分限を見誤らせ、人に過ぎたる存在を近付けさせてしまう。まさか、オウガバトル伝説上の魔神が、つい一世代前の地上に顕現していようとは。

「魔神の強大な力に、勇者達も助力を仰いだ。即ち、ホーライ、ドヌーヴ、オファイス、ハイランドに、ゼノビアを加えた五王国の連合軍で当たり、なんとか魔界へ還すことに成功したのじゃ。その後、王国の統治に服せず乱を起こす各地の残存勢力の拠点を潰す度、その場所に教会を建てていき、ゼノビア王国建国から三年、ゼテギネア大陸に漸く平和な時代が到来したのじゃ」

 ロシュフォル王子の悲願がやっと…。

「幾世代にも渡った擾乱期から考えればわずか五年、じゃが、その生涯から見れば五年もの間戦い続けた王子は、大陸に正義と秩序がもたらされたのを見届けると、ゼノビア王家を騎士だったグランに禅譲なされ、天に昇られた。後を継がれたグラン王は、ロシュフォル王子の意思が生き続けるよう、教会の存続を条件に五王国間で同盟を結ばれ、大陸の平和を保たんとした。そして、大神官となったラビアンは、神の僕として自らの信仰を鍛え、神と共に歩むという王子の信仰実践を元に、改革された宗派をロシュフォル教と命名した」

 

 魔神と戦った五王国。神の僕たれと教えを説くロシュフォル教会。ロシュフォル王子の意志は、確かに受け継がれていた。なのに、どうして…。

「13年前の大戦、ゼテギネア統一戦争について、直接的な要因は諸々にあろう。勿論、それに加担した奴等が一番に悪い。じゃが、そもそもの要因は、この35年前の体制にあったと儂は思うておる」

 ロシュフォル王子が成し遂げた平和が、次の大乱を生んだ?

「例えばゼノビア王国に関して言えば、ロシュフォル王子を中心に、諸侯等を統合して王国とした。じゃが、休戦を第一とし国家体制を急造したため、一昔前まで一国の主だった貴族達には、現行序列に不満がある者も少なからず居ったはずじゃ。その証拠に、貴族達の分裂が王国滅亡の一因となっておる」

 臣従を誓っても、心服したわけではないということか。でも、それは…。

「他国も大体、似たような状況じゃったのではないかの。その上、ゼノビア王家はロシュフォル王子の騎士に過ぎなかったグランが継いだ。シャローム王家の血筋を引くロシュフォル王子はともかく、グラン風情より自分の方が相応しいと思った貴族が居てもおかしくはない」

 グラン王は神王と謳われた名君だ。それでも、血筋の貴賤が問われるものなのか。

「一国の内側だけに留まらず、同盟自体にも問題はある」

 でも五王国同盟は、平和を維持するためのものだったはず。

「五王国の力関係は、ゼノビアとハイランドが圧倒的に強いものじゃった。かと言って、両者が他を圧迫していたということはなく、その関係は対等なものじゃった。じゃが、強い者と弱い者の約定において、その関係を望んでいるのは往々にして強い方の側であり、弱い方は仕方なしに従っている場合が多い。この場合で言えば、真に平和を望んでいたのはゼノビアとハイランドであり、三国に関しては力が手に入れば同盟遵守の意思は希薄じゃったと言える」

 弱い者が虐げられないための平和同盟が、その弱い側から破られるなど…。

「また、ロシュフォル教会も戦を止める手立てにはならんかった。ロシュフォル教自体が内に向かう性質の宗教なこともあり、大陸全土に拠点を置きながら、その統治に対する影響の度合いに関してはゼロに等しい。それに、それぞれの教会も連帯して事に当たるという意識は希薄で、実質個々に存在する神聖都市の社と大差ない」

 ロシュフォル教会の体質上、信徒達に宗教的な連帯は生まれ難いということか。五王国同盟も、ロシュフォル教会も、ロシュフォル王子の意志を継ごうとした試みは、ともに不完全だった。

「大陸擾乱を収めて構築した、35年前の体制の歪み。それが噴出したのがゼテギネア統一戦争であり、その結果出来たのが、神聖ゼテギネア帝国という苛政じゃ。儂はそう思うておる」

 と、そこまで言うと、ババロアは神妙にしていた顔を崩した。

「まあここまで非難しておいて何じゃが、同盟も教会も、それ自体が欠陥のあるものというわけでは決してない。今挙げた欠点の部分は、別の側面から見れば優れた長所じゃ。無闇に征服するよりも、既存勢力の連合によって生まれる体制の方が遥かに平和的じゃし、強者が侵略を望むより、和平を望む方がいいに決まっておる。内よりも外に向かう宗教は、自己同一性を他者にまで適用して、宗教戦争を引き起こす可能性もある」

 グラン王や、ラビアン大神官だって、そう信じて同盟や教会を作ったはずだ。でも、だったらどうすれば良かったというのだろう。

「学ぶべきは、完璧な体制など無いということじゃ。どんな制度にだって、何かしらの欠点はある。重要なのは、それを踏まえてお主がどういう世を築こうとするかじゃ」

 どれだけ純粋な意志から生まれた崇高な理想でも、それを完璧に実現する制度というのは存在しない。

 だからと言って何もしないのは、やはり正義に悖る。

 帝国を倒す。それはいい。問題は、その先どうするか。どういう未来が私の理想なのか。それを考えていくことも、私の正義のための戦いなのかもしれない。

 若さと勢いでここまで来たウェンディは、自分の10倍近い年月を生きた老人から、答えの無い宿題を課された。

 

 ババロアの元を後にしたウェンディ達は、チャンジガルで物資調達をする。

 敵軍の側面を行き来していたウェンディ達はそうでもなかったが、その分敵正面の拠点防衛を担当していたレイノルズ隊やシルフィード隊はシャローム軍との激戦を経ており、思いの外損耗が激しかった。

 医薬品を大量に買い込むウェンディ達を見て、商会の人間は相手の正体に気付いたらしい。

「帝国と戦ってるというのは、貴殿方ですね。これから向かうとなると、ゼノビアでしょうか。私も昔、王都で仕事をしたことがありまして。ゼノビア王家の、トリスタン王子とジャン王子を見たことがあります。お二人とも、13年前の戦争でお亡くなりになったと聞いていますが。生きていれば、今頃さぞや立派な若者になっていらしたでしょうに。お痛わしいことです」

 国王陛下だけでなく、王子殿下達まで帝国の手にかけられていたなんて。

 ウェンディの中に、新たな闘志が灯るのを感じた。

「ギルバルド達を迎えに行きましょうか」

 ウェンディ達は、ぺシャワール城へ向かった。

 

 ぺシャワール城内、ギルバルドは出立の支度を整えていた。

 ティアマット討伐以来、使い続けてきた鞭を手に取る。ビーストテイマーだったギルバルドにとって、鞭はその戦士の誇りとも言える代物だ。だが――。

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「これはもう、必要ないな」

 ゼノビア王国を裏切った時に、戦士の誇りは捨てた。俺にこれを持つ資格はとうに無い。だがそれよりも、新たな戦う理由が俺にはできたのだ。

 陽の光から目を背け、自らの意志を氷の中に閉じ籠め続けてきたギルバルドの前に、若草色の髪を靡かせて颯爽と現れた乙女。純真なエメラルドの瞳は、苦渋に塗れた言葉にも決して折れない確かな信念を宿し、凍てついた彼の心を融かしたのだ。

 ウェンディ殿の剣となる。それが、今の俺にとっての戦士の誇りだ。少数精鋭で構成されるウェンディ軍では、魔獣を使役して遊撃を行う機会はないだろう。

「ギルバルド…」

 声のした方を振り返ると、

カノープスか」

 赤い髪の有翼人がそこに立っていた。窓から入ってきたらしい。

「俺は、戦わぬことがシャロームのためだと信じてきた。戦火を避けられるなら、屈辱に耐えるなど易いものだと。だが、かつてお前が言った通り、俺には正義を貫く勇気がなかっただけだ。ウェンディ殿のお陰で目が覚めたよ。俺は自分のエゴのため、誇り高きシャロームの民に生きながら死ぬことを押しつけただけだ」

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「この前も言ったろ、俺はお前を誇りに思うと。お前が戦いを避けてくれたお陰で、今のシャロームがある。お前は最善の方法で、シャロームの民を守ったんだ。その事実から、目を背けるな」

 カノープスは、堅物過ぎる親友を改めて叱咤する。

「それに、生きていれば、また立ち上がることができる。生きているからこそ、正義のために戦うことができるんだ。誇りのために死んだとて、世に正義は成し得ない。再び誇りが抱けるのなら、戦士の休息は何も間違っちゃないはずだ」

 窓から差し込んだ太陽が、カノープスの翼を彼の髪と同じく真っ赤に染め上げている。

 そうだ。俺は生きている。恥を晒しながらおめおめと生きてきた俺だが、この命にまだ意味があるとするならば、それは昨日を後悔するためじゃない。この世に光をもたらすウェンディ殿を、支えるためにこそ生きるのだ。

「その、ユーリアとは会っていかないのか」

 カノープスが出した名前に、ギルバルドは反応したようだったが、

「…ああ。俺の身勝手で、ユーリアには辛い思いをさせてしまった。彼女の心痛を思えば、俺には合わせる顔がない」

「だが妹は、今もお前を――」

「それに、会ってしまえば俺の方でも決意が鈍るのだ。この戦いは、逃げ続けた13年にケジメを付けるため、もう一度ユーリアの顔を見れるようになるためなのだ。全てが終わったら、必ず謝りに行こうと思う」

「そうか…」

 カノープスは、それ以上何も言わなかった。

 

「ギルバルド様、ウェンディ殿達がいらっしゃいます」

 衛兵の一人が、ギルバルドに伝えに来た。彼は、先日ギルバルドにラワピンジ奪取を注進した兵士である。

「ああ」

 ギルバルドが城を出た後は、彼等がシャロームを守っていくこととなる。

「俺のせいで、お前達にまで反乱軍の烙印が押されることになってしまったな」

 自身が前を向くことを決めた後でも、やはりギルバルドには一抹の後悔がある。

「それは違います」

 元主人の嘆息に対し、衛兵は断乎とした口調で答えた。

「ギルバルド様が帝国にお仕えなさればこそ、我々は帝国のために戦っていたのです。そのギルバルド様が、やっと御自分のお心に正直になられた。家臣として、これ以上の喜びがありましょうや。ウェンディ殿の軍は、体制への反乱を煽動したのではなく、このシャロームが信義のために戦えるよう解放したのです。ギルバルド様のために戦えるなら、我々のこの命惜しくはありません」

 ギルバルドは今漸く、帝国を倒す決意が固まった。こんな俺の戦いを、命懸けで支援してくれる者達がいる。である以上、この戦い、絶対に勝たねばならぬ。

「準備は整ったかしら」

 ちょうど、ウェンディ達が来たところだった。

「ああ。この城にはこんな物しかないが、俺からの手土産だ」

 ギルバルドは、「エコーのチャイム」、「リターンハーフ」、「死者の指輪」、「ブラッドスペル」といったアイテム類に、「覇者の剛剣」、「神宿りの剣」といった武器、及び重装の騎士装備一式をウェンディ軍に献上した。

「ありがとう。助かる」

「ギルバルド殿は鞭の方が良かったのでは?」

 ウォーレンは、剣を差したギルバルドに違和感を覚えたが、

「これでも、王国の軍事訓練を受けている。人並み以上には、扱えるつもりだ」

 ギルバルドは、目線でウォーレンの腰を指していた。確かに、ウォーレンのファイターよりは様になっている。

「おほん、では、次の進軍地を決めましょう」

 ウォーレンは、ウェンディの方へ話を振った。

「シャロームから伸びる道は二つ。一つは、海沿いに西進してポグロム方面へ出る道。こちらは、森を抜けるとゼノビアの目前へ迫ることになります。もう一つは、内陸に南下してジャンセニア湖方面へ進む道。こちらは、前者に比べて、ゼノビアへは回り道をすることになります」

「それなら――」

 迷うことはない。一刻も早く帝国の喉元に迫るため、北西のゼノビアへ最短距離で突き進むべきだ。

「しかし、ジャンセニア湖では最近良からぬ噂がありまして、夜な夜な娘達が拐われるという事件があり、しかもその黒幕は、帝国から支配を任される天狼のシリウスだと言います」

 そういうことか。大義のために、先を急ぐか。目の前の悪事を成敗するか。

 帝国の打倒を第一に考えるなら、ポグロムへ抜けるのは正しい。

 それでも、ウェンディの頭には、ババロアの言葉が思い出されていた。帝国を倒した後、どんな世を築きたいのか。何が私にとっての理想なのか。

「領主の立場に着て少女を拐うような輩を、野放しにはできない。遠回りになるけど、いいかしら?」

 ウェンディは周囲の反応を見る。

「構わないでしょう」

「異存はない」

 ウォーレンもギルバルドも、ウェンディの決定に賛同してくれた。

 まだ答えが出たわけではない。はっきりとした理想の形は、まだ見えてはいない。

 それでも、先の見えない明日に他の誰でもない自分自身の正義を掴むため、ウェンディはジャンセニア湖へ発った。

 

幕間

 戦後処理が長くなったので、ここは思い切って攻略の進行を諦め、僕がブログに慣れてきたこのタイミングで、もう一度本作の世界観とゲームシステムを確認し、このブログの方向性とリプレイ上の設定なんかをおさらいしておきたいと思います。

概要

 本稿はゲーム『伝説のオウガバトル』の攻略記事です。

 本作は、悪しき帝国が支配するゼテギネア大陸で、主人公(オピニオンリーダー)が同じ志を持った仲間達と共に、帝国を倒して大陸に平和を取り戻すという王道RPGです。

 またゲーム性としては、インターミッションで編成した軍団を進軍させて、マップ上の拠点を攻略しながらステージボス撃破を目指す、タワーディフェンスを軸としたRTSになります。

 本稿前段では、そのRPG要素を膨らませて、二次創作を加味したリプレイSSを記述することで、本作シナリオの僕なりの楽しみ方を提示したいと思います。

 また後段部では、実際のステージ攻略の過程を記述し、僕のプレイを追体験してもらうことで、本作のゲーム部分の魅力を紹介していきたいと思います。

章立て

 今回の記事も第1部と銘打っておりますが、本作は大変自由度の高いゲームとなっており、攻略の順序や通過の是非をプレイヤーが決められるようになっています。例えば、上記のジャンセニア湖を飛ばしてポグロムへ行き、そのままクリアすることも可能です。

 なので、本稿の区分も勿論恣意的なものであり、本作には○○編などはありません。ですが、現行のウェンディ達の状況や目標をわかりやすくするため、設定しています。

 本稿は4部構成を意図しており、第1部は、半ば衝動的なヴォルザーク決起から、シャローム解放に際して新秩序構築で対内的に意思統一し、ゼノビア陥落をもって帝国側からも反体制運動として認知されるという筋書きです。

 以降の区分や詳細な流れは未定で、書きながら考えます。

 

設定

本稿の年紀について

 本作から本稿を見た場合、最も重大な変更点として、年月の設定を変えてあります。

 本作の設定では、帝国建国のきっかけとなった五王国の大戦は25年前ということになっているんですが、諸々の事情から本稿では13年前ということにし、時間軸を半分に圧縮してあります。

 諸々の事情はこちらをご参照ください→

 それに合わせて、キャラクターの年齢も公式設定から多少ズラしてあるので、そこのところはご了承ください。

呼称

 本編では「ロシュフォル皇子」と表記されるのですが、これって多分後世から見た呼称の適用なんですよね。詳しくは、トリスタンが加入するタイミングで触れようと思いますが、本稿ではこちらの方がわかりやすいと思い、「ロシュフォル王子」と呼称することにします。

 また造語として、本稿では、五勇者の平定以前の大乱を「大陸擾乱」、ハイランド王国が他の四王国を滅ぼして神聖ゼテギネア帝国を建国した大戦を「ゼテギネア統一戦争」と名付けています。

年次

 本稿におけるゼテギネア大陸の出来事を、時系列で整理すると以下のようになります。

  • 100?~40年ほど前:大陸擾乱期

 平定に5年かかったっていうくらいなので、数世代に渡る戦乱だろうと思い、50年以上は続いていたのではないかと。

 旗揚げ時に若者ということから20歳前後と想定し、王国滅亡に時従者一人と落ち延びる状況をそこから逆算すると、5年前くらいが妥当かなと。

  • 40年前:ロシュフォル王子アヴァロン出立

 大陸平定の開始をどこに置くかですが、ロシュフォル王子が大願を抱いて還俗したところをスタートにしました。

 5年前の王子が帰ってきたわけで、まあ1年は経っていないだろうと。

 本編のプレイヤーはともかく、まともに大陸平定するなら、旧ゼノビア王国程度の国力は必要ではないかと。地盤のシャロームは辺境なわけで、ゼノビア貴族を帰順させるには、示威活動期間が2年くらいは必要じゃないでしょうか。

  • 38~35年前:大陸平定期

 平定と言っても征服したわけじゃないので、実際は各地に教会を建設していったという感じでしょうか。五王国の領域確定も、この時期だと思われます。

  • 35年前:平定完了/グラン王即位/ロシュフォル教成立/五王国同盟批准

 大陸の平定完了と同時にロシュフォル王子は天に昇り、ゼノビア王朝はグランの家系が、教会はロシュフォル教会として継続され、五王国間の平和協定による旧体制秩序が構築されたのでは。

  • 22年前:ギルバルドが魔獣軍団長とシャローム領主に就任

 ロシュフォル王子の祖国であり、シャローム王家が立てられていないということは、元はゼノビア王家の直轄地だったのだろうと。しかし、王国を裏切れるほどシャローム民族の自立心が強いことから、自治権の承認から10年以上は経っていたのでは。軍人のギルバルドが領主になっていたなら、ギルバルドは自治体制が固まる前の初代領主の可能性が高い。本稿のギルバルドは40代後半なので、領主に就任できる年齢と考えるとこのくらいが妥当かと。

  • 17年前:ウォーレンがヴォルザーク城入城

 本稿では、ウォーレンを40代前半に設定してあるので、国王にまで名声が届くのは20代半ば頃になるか。

 本稿の大戦時新米騎士だったという設定から、このくらいか。

  • 13年前:グラン王暗殺/ゼテギネア統一戦争勃発

 例の大戦です。

  • 12年前:神聖ゼテギネア帝国建国

 

キャラクター

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ババロア

 話が長い。まあ老人の話は長いものなので。

 彼女が本編で実際に語っているのは、40年前(公式には80年前)の大乱を5年(10年)かけて平定した五人の勇者の内訳と、帝国成立以前の五王国の位置関係と、エッチな話のみで、あとは全て創作です。

 五勇者の平定を、五王国成立と絡めて一本化しています。勇者達の進行ルートは、この後ウェンディ達が取る進路を参考にしました。

 魔神の召喚とか嘘八百なんですが、大陸を平定したロシュフォル王子のゼノビア王国と他の四王国が対等の関係にあることから、五王国連合で当たる必要がある敵がいたはずと考え、ラシュディを擁するゼノビア王国軍単体で抗し得ない敵となると、魔神クラスだったのではないかという推論です。

 五王国統治時代において自治都市だったマラノの特異性を、最後まで秩序に反抗する者達の拠り所だったという形で反映してみました。

 まあ彼女の長話のおかげで、前回の未熟故の理想の件が回収できたのではないかなと思います。自分自身の正義を求めるためという彼女の戦う理由に、必然性が増したのではないでしょうか。

五勇者

 「シャロームの皇子ロシュフォル」という謂われがどういう意味なのか、本編では一切不明なのですが、本稿では亡国の王子という設定にしました。権勢の虚しさを味わったので、アヴァロンに渡ると宗教に傾倒し、シャローム王家復興を望まなかったという解釈です。

 「剣士グラン」は、シャローム王室に仕える騎士階級の出で、ロシュフォル王子に付き従ってきたという解釈です。日本の武士における傅子のようなイメージです。

 アヴァロンの宗教形態に関しては、40年前も現代のロシュフォル教も不明なのですが、今と同じ大神官を置く制度で、ロシュフォル教と同様の主神フィラーハを崇拝する教義だったのではと。ロシュフォルの友となった「僧侶ラビアン」が中枢にいたため、容易に宗教改革ができたんだと思います。

 ギルバルドと、ゼノビアで出てくるライアンくらいしか魔獣使いキャラがいないので、「魔獣王ダルカス」もシャローム出身にしました。イメージはドラクエ7ガボです。

 俗世に興味なかったロシュフォル王子にゼノビア王朝を興させないといけなかったため、群雄割拠のゼノビアを纏め上げるため、「賢者ラシュディ」が講じた策としました。ラシュディのジョーカー感と底知れなさを表すことができたのではないでしょうか。“とある縁”って二次創作でぼかすなよとは思いますが、この辺の話は(おそらく)オウガバトルサーガ・エピソード4にあたる話なので、ep.4が発売された時にでも考えます。針の無い釣糸でも垂らしていたんでしょうか。

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ギルバルド

 カノープスとユーリアについては、前記事で書いたので割愛。ギルバルドだけは、今後一切本編の出番がないので、今回盛りました。リプレイでは今後も、話に絡めてあげたいと思います。

 帝国の手先に堕ちた罪を許され、死ぬつもりだった命を救われたとは言え、シャロームの領主を務めていたほどの男が、自分の半分も年端のいかぬ小娘の言葉で生き方ガラッと変えるって、個人的には納得いかない部分もあったので、彼が前を向けるようになるまでを描きました。

 前回、せっかくのカノープスの説得も聞く耳持たぬで終わっちゃったので、今回改めて親友の心に届くシーンを入れています。

 カノープスの激励は、彼自身にも向けられた言葉なんですよね。日の光を受けて立つためには、他の誰でもない自分自身でその場所を肯定しなきゃいけない。

 ただ、ユーリアには会っておけよと思いますが。

 また、前回冒頭に登場した名もなき兵士に再登場頂いて、ギルバルドのケツをひっ叩いてもらいました。やっぱり彼は、理想のためや、親友のためというよりも、部下や民のために立つキャラクターだと思うんですよね。何かを背負うことで強くなれるのが、ギルバルドという男だと思います。

 

プレイ記録

軍団編成

 今回は、戦後処理用の編成であり、飛行運搬キャラを入れたウェンディ隊だけでいいので、カノープス/ギルバルド/ランスロット/ウォーレンを加えた固有キャラオンリーのウェンディ隊を使いました。

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 キャラクターにはそれぞれ運搬能力というものがあり、ユニットの移動形態を決定しますが、本稿では飛行ユニットとなる大空ユニット/低空ユニットと、最も一般的な草原ユニットしか使いません。

 グリフォンを入れた大空ユニットは最速で動けますが、スロットを2人分使うので戦力は落ちます。有翼人を入れた低空ユニットは多少速度が落ちますが、5人フルで編成できるので、今後はこちらを多用します。

 今回は、カノープスが低空運搬です。f:id:boss01074:20200613202708j:image

 固有キャラは一般キャラに比べてコストが高いんですが、ウェンディ隊は最初の1日ノーコストで行動できるため、戦後処理だけならこういう贅沢な使い方もできるわけです。

 ギルバルドの初期クラスは「ビーストテイマー」なのですが、加入段階でより耐久性に優れる「ナイト」にできるため、即クラスチェンジさせています。

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 クラスチェンジはステータス上昇が条件なのですが、リプレイではギルバルドに装備の提供を受けたという風に描いています。

ステージ攻略

 今回、攻略自体はもう済んでいるので、アイテム回収と、ちょっとしたイベント消化です。

 アイテムには、大きく分けて、回復やユニット転移などに使う消費アイテム、キャラのステータスを向上させる装備アイテム、売却して軍資金に換える換金アイテム、イベントのフラグとなる貴重アイテムの4種類があります。

 消費アイテムは、各ステージ1つある貿易都市のショップで購入します。装備アイテムは、マップ上任意の場所に埋まっているので、探索して見つけ出さなければならず、しかも入手できるアイテムはランダムです。換金アイテムと貴重アイテムは、イベントによって入手します。

 消費アイテムは、基本的には前述のように購入しますが、戦闘勝利後のドロップアイテムとして入手できる場合があり、装備アイテム同様ランダムですが、店で売っていないアイテムを入手できることがあります。

 前回激戦を繰り広げたシルフィード隊とレイノルズ隊が、「エコーのチャイム」「リターンハーフ」「死者の指輪」「ブラッドスペル」を入手しました。

 エコーのチャイムは野生の敵(中立キャラ)を呼び出す鐘で、使うかは微妙。

 リターンハーフは本拠地に帰還できるキメラの翼ですが、これも要らないかな。

 死者の指輪はリッチの必需品で、これは有用。

 ブラッドスペルはヴァンパイア化する刻印ですが、火力が望めなくなるので使わないでしょう。

 北西と南東にある装備アイテムを回収したら、レニナカン南方のアナトリアババロアの話を聞き、チャンジガルで回復薬を購入します。

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 隠しアイテムは、「覇者の剛剣」と「神宿りの剣」でした。

 古代シグルドの大剣という覇者の剛剣は、現代のシグルドとは無関係みたいですが、中盤まで使える武器です。

 英雄の魂が宿ってるのに何故か神宿りと呼ばれる方の剣は、高INT補正と神聖属性付与という、終盤まで使える超優秀な武器です。ヤッター。

 ババロアの話は聞かなくても支障ないんですが、リプレイに登場させてあげたかったので、会いに行きました。

 前回の戦いで消費した、キュアポーション×19とソウルコール×3を補充しました。オールサモンズは、暫く買う必要ないですね。

プレイ後記

 自由都市って何が自由なんでしょうか。本稿では宗教的に自由という解釈を取って、アナトリアの守護霊像は、アートということにしました。

 リプレイへの反映として、ぺシャワールではオピニオンリーダーの支持率のバロメータとして反乱軍ではなく解放軍と言われるのですが、リプレイではギルバルドを鼓舞するための言葉として用いています。

 また、本来バンヌで聞くババロアの噂に加えて、別の教会で聞くはずの神父のぼやきも、ユーリアの居た教会で言わせました。

 より切実な形にニュアンスは変えてありますが、内容としては教会なんてショボい商会みたいなもんだということです。

 解放した都市からは援助金が貰え、教会は援助金が少ない代わりに死者を復活させられるのですが、その費用というのが、蘇生アイテムであるソウルコールより高くなるんです。そうなると、わざわざ教会に死者を連れていくより、どのステージでも売ってるソウルコールを買い貯めしといた方が、即使える上に安いので遥かに効率的なんですよね。

 というわけで、教会の復活機能は死設定になりがちなんですが、それをNPCにツッコませているのは独特なので、採用しました。

 

 今回は、設定や項目の整理をしたかったので、幕間という形のブログにしました。攻略が進まず、すいません。

 次回は、カオスフレーム調整用ステージのジャンセニア湖なので、あっさり終わるはずです。

 よろしければ、お付き合いください。

 

 こちら次回前編→

 次回後編→

 

 

伝説のオウガバトル

伝説のオウガバトル

  • 発売日: 1993/03/12
  • メディア: Video Game